※注意 映画の内容に関するネタバレがあります。


あさがおと加瀬さん。
キービジュ2
監督 佐藤 卓哉
出演 高橋 未奈美
    佐倉 綾音
公開 2018年
おすすめ度 ★★★★☆(4/5)

2週間くらい前に梅田ブルク7で見てきました。週末でしたのでほぼ満席でしたわ。


『あさがおと加瀬さん』はOVAの劇場公開作品です。なので上映時間は1時間程度と短め。しかし個人的には丁度良いくらいの上映時間だと思いました。1時間を目いっぱい使ってイチャイチャしているだけと言っても嘘じゃないくらいに甘々な内容なのですので、見終わった後はこれ以上は入らないってほどに頭の中が砂糖で満たされている感覚を味わえます。

本当にもう女の子同士のイチャイチャにはニヤニヤされっぱなしでしたわ。LGBT映画というのも最近は珍しくもないですが、深夜アニメによく見られる百合作品がLGBTかと言われると、個人的には少し違うのではないかと思ったりしています。

タイポ2

LGBT映画にあるような(それも映画によって様々で一概に言えませんが)社会がこうあるべきみたいな主張は別にないです(ハーヴェイ・ミルクの自伝を扱った映画『MILK』だと同性愛者の公民権獲得とか、このHPでレビューしているものだと『チョコレートドーナツ』の男性カップルが養子を持つため司法について考え直そうみたいな社会への問いかけのような)。

だからと言って、(内容が恋人同士がイチャイチャしているのをニヤニヤしながら観る映画ゆえ)男女の恋愛映画を女性同士に置き替えた映画というのは早計ですってよ。この映画は百合独特の世界観がつくられているのが個人的評価ポイントなのですわ。

タイポ1

「あさがおと加瀬さん」の中で思わず自分がオッ!! と思ってしまいましたのは、修学旅行先に向かう飛行機の中で主人公の女の子(山田ちゃん)が騒いでいる男子に辟易して自分の世界に閉じこもるようにヘッドフォンを使おうとしたときに、颯爽と現れた加瀬さんが2人きりの空間に誘い出すという場面。

ここの2人だけの世界というのが注目すべき所。

個人的な好みというだけかもしれませんが、百合とは自分が触れると汚してしまいそうになるくらい神聖な関係性を見せてくれるもので、そこに観る側が尊さを感じるのではないか。

ただ、神聖で侵しがたい関係を一方的に求めているのは、差別と言われても仕方がないくらいには傲慢な裏側を秘めているのですわ(権利の主張をするなと言ってるように取られかねないのですわ)。

タイポ3

それでも…… 女学校のエス文化が日本における百合の大きな起点でもあるから、女性だけの閉じた世界と神聖な雰囲気・秘めた愛というのは百合に欲しい要素ではあるのですわ(しかして全部がそうあるべきではないです)。

そもそも自分はLGBTという言葉に社会派というイメージを持っているのが間違っているのかも?

コリン・ファースの名作映画『シングルマン』で登場するゲイが互いの目で理解しあって彼等だけの世界に入り込んでいくあの感じ。それがいま書いた百合の世界観と近いような気はしますわ。『シングルマン』もゲイ映画であってLGBT映画ではないように思うんですけど、どうなんでしょうかね? 自分で言いだしておいて、もう自分の頭じゃ考える容量が足りませんわ。

タイポ4

予告の時点で期待していたのが王子様を担う加瀬さんのムッツリすけべ具合。
3
最高でした。何かとえっちな目でヒロインを見ては慌てているのが可愛い。

5
そしてさらに良かったのが、何かと加瀬さんを発情させてしまう山田ちゃんの方も加瀬さんの体に悶々としてしまったり、やらしい目でみられていることに自覚してビックリするも受け入れたり……

潜在的むっつりスケベでカワイイ!!

このむっつり同士が最後まで、苗字呼びのまま清いお付き合いをしていて、見てるこっちが悶々とさせられるという具合でした。

2

ただ、初めて見るような新鮮な展開とか場面はこれといってないです。カップル間で性意識の差に擦れ違いが生じてしまう問題についての解決は、結構ふんわり気味に着地して終わってしまうのです。そして代わりに二人に立ちはだかる壁は進学で離ればなれになっちゃうかもしれない……みたいなよくある奴ですわ

ラストシーンでは『たまこラブストーリー』かな? と思ってしまう絵作りでしたが、山田ちゃんが普段見せないような強気なカタチで愛を伝えるのを見て(タックルで強引に加瀬さんを押し倒す)、いや今から大学のスポーツ推薦のために東京行くのに足を怪我したらどうするのっ、と冷静になってしまったり。そこからエンドロール後に追加されたカットの微笑ましい終わり方に、あ……もう最高ですわ(昇天)という結論に行きついた映画でした。

良かった……劇場の大画面で見て良かった。

どうして私には百合百合できる相手が存在しないのでしょうか。
キャンディス・パットン
(海外ドラマ『フラッシュ』より)

相手がいればなぁぁぁぁあっぁ。





私を百合街道に引き摺りこんだ元凶(ちゃおぇ)