『クリーピー 偽りの隣人』

クリーピー
 

  • 監督 黒沢
  • 出演 西島 秀俊
  •      竹内 結子
  •      香川 照之
  • 公開年 2016
  • 制作国 日本
  • 原作 『クリーピー』著・前川裕 

 捜査一課だった高倉幸一は ある事件で警察を辞め、大学で犯罪心理学を教えることにした。そのため新居に越してきたのだが、隣人家族の父親は妙な男だった 。高倉は新生活を送る中、興味本位で過去の事件を追っていく内に明らかになったのは……

 

 

<前置き>原作は未読です。黒沢清監督作品も『クリーピー偽りの隣人』が初めてになります。そのような訳で原作・監督 双方のファンのディープな見方というものを知らないので、こいつ分かってないみたいな ささのさのトンチンカンな感想が気になる方には申し訳ないです。

ネタバレありです。

 

評価 ★★★☆☆ (3/5)

 

雰囲気の良さはあるものの、と思ったところもありましたな。

 

物語冒頭。最初に出てくるモブのサイコパスが芝居がかっていて気持ちがダダ下がりでしたぞ。主人公も俺は心理学があるから大丈夫みたいな感じで、逃走したモブ犯人の前に躍り出た挙句刺されるからもしやこの男バカなんじゃないかと思ってしまったり。ただ香川照之が演じるサイコパスが出てきてから持ち直してきましたぞ。現実で出会うと厄介な感じがビンビンしますな。隣人だから完全に避けようにも無理な感じとか、むしろ主人公の家庭にまで侵されてしまっている手遅れな感じとか最高でしたぞ。

 

主人公たちが住んでいる街並みがどこにでもあるような場所なので、本当に起こり得そうな雰囲気についてはかなり良かったのですが、途中途中おかしいと思う箇所がありまして、主人公の嫁である竹内結子がお隣さんのことを嫌だと思っていたはずなのに、お隣さんへシチューを持って行くとか、普通の家にはなさそうな地下室とか、隣人が他人を操るために使っていた薬(麻薬?)の強力過ぎる威力とか、一体あの薬はどこで手に入れたのかだとか、サイコパス香川がシチュー嫁を籠絡させた手練手管をきちんと見せないとか、警察があまりにも無能だったり、犯人側に都合が良すぎではなかろうか。まぁホラーだからこれくらいのパワーバランスでも仕方がなかったのですかな?

 

とはいえ、主人公と笹野高史が演じる刑事が隣人宅に赴くシーンで、この後も主人公は散々な目に遭わせられるんだろうなー、と重い気持ちにさせてくれる所は良くできていましたぞ。

 

そんなこんなでやってきた。主人公vsサイコパス香川の相対シーン。連れ去られたシチュー嫁を助けるまでは良かったものの、その後は逃げようともせずサイコパス香川に対して撃てねぇんだろとバカにするように責めて、その結果嫁に裏切られて眠らされてしまうシーン。この主人公冒頭で刺されてから何も学習しておりませんな。やはりバカかと。犯罪者を自分より下に見てバカを見るタイプですな。

そんな訳で個人的に最後の最後で香川に一矢を報いた時も、主人公は格好つけている感じで気に食わなかったですぞ。貴様本当はバカのくせに、せめてもっとバカを見てボロボロになっていろよと。映画が終わったとしても、主人公はまた同じ轍を踏みそうだと思いましたぞ。

そんなんでしたがラストカットのシチュー嫁である竹内結子による慟哭は心に来るものがあって良かったと思いますぞ(´;ω;`) あれだけのことがありながら、まだ嫁を捨てずにいられる所に関しては主人公の美点が見えたし。

 

イヤーな感じのする雰囲気はかなり良かったので、細かい所は無視できるならかなり面白い映画だと思いますぞ。

 
Amazonビデオ版です



原作版です
クリーピー (光文社文庫)
前川 裕
光文社
2014-03-12